長鎖非コードRNAを含有する新規核内構造体を介した熱ショック応答機構の解明

水谷玲菜
(東京大学 アイソトープ総合センター 特任助教)

2017年6月13日火曜日

ご挨拶を兼ねて、最近書いた英語総説について少し。。。

国際科学技術財団の研究助成に採択していただきました、東京大学アイソトープ総合センターの水谷です。

研究についてのブログということで、最近書いた英語総説を紹介させていただきたいと思います。


Handbook of Epigenetics -2nd Edition-
Editors: Trygve Tollefsbol,   Published Date: 21st July 2017


この本の中の、
12.  Techniques for Genome-wide Expression of Non-coding RNA


という章を書かせていただきました。

本研究助成の課題でもnoncoding RNAをテーマとしています。

そもそもnoncoding RNAって何ですか?という話なのですが、
noncoding RNAというのは、RNA自身が機能を持つRNA群の総称です。
ひと昔前までは、RNAといえばタンパク質の翻訳の「鋳型」として働くものというイメージだったと思いますが、タンパク質をコードしないRNAなのでnoncoding RNAと呼ばれています。

microRNAなどの低分子RNAや200塩基長以上の長鎖noncoding RNAと呼ばれるものまで多種多様のRNAが存在します。

機能の全貌は未だに不明ですが、長鎖noncoding RNAの中にはエピジェネティックな遺伝子発現制御において重要な働きをするものが存在する、ということが近年分かってきています。

そのような背景から、エピジェネティクス研究をする中で長鎖noncoding RNAが解析対象となりうるわけですが、次世代シークエンサーを用いて長鎖noncoding RNAを網羅的に解析しようとしたときにmRNA解析の時には問題とならなかったことが問題となってきます。

そこで今回書かせていただいた総説の前半部分ではnoncoding RNAの特徴に起因したゲノムワイドな解析における問題点とそれを克服するための技術の紹介をしています。

後半部分では、転写やRNA分解といった「RNA量の制御」をゲノムワイドに解析する手法を紹介しています。
RNAそのものが機能を発揮するnoncoding RNAではRNA量の制御機構(転写・RNA分解)を理解することが非常に重要であると考えて、このような構成にしてみました。

ちなみに余談ですが(というより完全に宣伝ですが、、、笑)、
RNA分解をゲノムワイドに測定するBRIC法という手法を所属研究室で開発しています。
ご興味のある方はぜひ試してみてください。

私自身も大学院生時代はBIRC法の開発や、mRNA分解に関する研究に携わっていましたので、
テクニカルなご相談等、いくらかは力になれるかと思います。。


話はそれましたが、今回書いた総説は英語総説としては初めて執筆したものでした。
noncoding RNAのテーマを初めて1年と少し経ったところですが、とてもいい勉強の機会となりました。

今回の総説の内容は直接、本研究助成のテーマと関係するものではありませんが、知識としては生かせる部分も多くあると思いました。

本研究助成のテーマでも原著論文が書けるように日々頑張りたいと思います。